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ニュース1701号
「SS氏のお誕生会」
- 【ニュース1701】
SS氏のお誕生会が盛大に催されました!!
おたより/いつもお世話になり、心から感謝しております。
在宅ケア協会に関わられておられる皆様へ
食養知識・技術普及のご案内
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SS氏のお誕生会が盛大に催されました!!
2004年3月19日(金)午後7時から特定非営利活動法人在宅ケア協会主催のS氏73歳お誕生会が沖縄食堂(東京都新宿区高田馬場)にご家族ご一同をお招きして催されました。ニュース1401でご紹介した在宅生活のために広島から東京に引っ越されて4年目の方です。
今まで旅行で行かれたことのある韓国、沖縄、高野山をとても愛しておられます。初めて研修や仕事に入る援助者の卵が来るとまず高野山のビデオを見せたり、大好きな沖縄民謡を聞かせたり大サービスしてくださいます。
毎年3月20日の誕生日にご家族のご依頼主が親しい友人知人に加えて在宅ケア協会の援助者たちを他の対象者の現場に入っている者も含めて何回か招待してくださいました。その御礼も含め今回は在宅ケア協会のご招待をお受けいただくことができました。感謝
ここで一緒に参加された母上(100歳)のお言葉を。
「ほんにここはウチナーに来た気分(S) ほんに倅は幸せ者じゃ!!」
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| SS氏と援助者 (高田馬場の沖縄食堂にて) |
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いつもお世話になり、心から感謝しております。
父の在宅生活も3年半を過ぎ、広島の病院で"あと半年しか生きられないだろう"と言われた事や、その頃の父が、自分の病気に絶望し、これ以上絶望しないために人生をあきらめていた様子を思い出しています。今父は、お寺めぐり、選挙の投票、高野山旅行…と、自分に与えられた人生を、最大限に生かして生きているように見えます。これはみんな、ケアに入ってくださっている皆さんをはじめとする、大勢の人の力に支えられて実現できています。本当にありがとうございます。
皆さんのレポートを読んだり、父の様子を見たり、母からの話しを聞きながら、悲しいけれど父の病気が着実に進行している事を感じます。そして、病気と共にある父の人生を皆さんが支え、皆さんの存在が父の人生を豊かに彩ってくれていると感じます。
以前も書きましたが、父は自分の力で体を動かす事が出来ないので、ベッドの中が生活の全てになりがちです。そういう父の所へ、皆さんが社会を運んでくれています。父は自分ひとりの力では社会へ出て行けませんが、その代わり、次から次へ入れ替わりやって来る皆さんからは、学校生活の香り、皆さんのご家庭の生活の香り、若々しさや生きているエネルギーを感じます。そうやって皆さんが様々なものを運んで来てくれるから、父のあの狭いアパートが社会に開かれ、父はベッドの中から社会へ出て行く力を蓄えているのだと思います。
今からお願いすることは、私自身も家族のエゴだと自覚していますが、私はこれまでずっと、父の介護に入ってくださった方々に、父(と母)の人生に出来るだけ長く関わって欲しいと願い、またお願いをしてきました。私の身勝手な無理な希望をお聞きいただき、忙しい中、今も父(と母)に継続的に関わってくださっている方が何人もいらっしゃいます。その事を本当にありがたく思っています。
私は、あまり考えたくない事ですが、いつか父が顔の表情を失い、感情や意思もわからなくなった時に、父の笑った顔、怒った顔、悲しい顔、苦しい顔、…そんな表情があった事を懐かしく思い出してくれる人が、一人でも多くいて欲しいと願っています。父が、喜怒哀楽のはっきりしたよく笑う人であった事、どんな時に喜びどんな時に怒っていたかを覚えていてくれる人の存在は、いつか父から表情が失われた後とても大事になってくると思うのです。
東京へ来たばかりの頃から、父は本当に良く笑うようになりました。娘の私から見ても"赤ちゃんのような無垢な笑顔"(Sさんスマイルとも呼ばれていた)でした。そして皆さんはその笑顔を見る事を本当に喜んで下さいました。父が笑い皆さんが喜ぶ、その楽しいやり取りを今もよく覚えております。けれども、父の病気は進行していて、今も少しずつ父の表情は読み取り難くなっています。最近のレポートを読むと、コミュニケーションが取り難くなっている事や、皆さんが苦労し、努力して下さっていることが伝わってきます。私も仕事柄、反応の返ってこない人に関わる時の苦労はある程度は知っていますので、皆さんのしてくださることが本当にありがたいです。
4年前に、父の在宅生活を東京で過ごす事を決めて、広島の病院からの退院の準備をしている時、入院先の看護師さん達に、父が元気だった頃の写真、病気が進行して手がブラブラだけれどまだしっかり歩けた頃に那須高原に旅行した時の写真、もう首もすわらず全く歩けなくなって車椅子で沖縄へ旅行した時の写真などを何枚か渡しましたが、その後、若い看護師さんが「病院の中のSさんからは想像も出来ませんでした。こんな感じの人だったんですね。本当に楽しそうですね。」と言ってくださいました。そして今、東京では、父が自分で歩いてしゃべっていた頃の事を覚えているのは、母と、祖母と、私と、夫の4人だけです。それ以外の人は、父の歩く姿も、声も知りません。そして、少し前までは、父が赤ちゃんのような輝く笑顔でよく笑っていた事や、パソコンで何時間もしゃべっていた姿を知っている人も、今ではだんだん少なくなってきました。
今、父は車椅子で都内のお寺参りに熱心で、そういう父を頼もしく見ていますが、現在の父の生きる希望を支えてくれているのは、現在ケアに入ってくれている皆さん一人ひとりです。父が、毎日、スタッフの皆さんが来てくださるのをどんなに心待ちにしているか、側で見ていて感じます。
そしてお願いです。父は今では、以前のように笑ったりPCで話したり出来ませんが、内面は、今も変わらず話しをするのが大好きなはずです。そう思って父に接するのと、無言で静かにベッドに横たわる人として接するのでは、父への関わり方が違ってくると思います。根気強く父の気持ちや希望を聞いてやってください。そして話しかけてください。誰でも同じでしょうが、自分の目を見つめ、「あなたは本当はどうしたいのか。」と問いかけてくれ、自分に強く関心を持って愛情を注いでくれる人がいる事が、私たちに、自分自身への"自信"と"誇り"を取り戻す力を与えてくれるのだと感じます。
そして、いつか皆、それぞれの道に巣立って行くのでしょうが、今皆さんが知っている父の事をどうか覚えていてください。もし可能なら、ほんの少しでも良いから、何かの形で、これからも父の人生に関わってください。そして、父がその時々にどんな人であったかを、後に続く人に話してあげてください。今、皆さんと一緒に生きている父の"記録"を後から来る人へ残してください。将来父が自分から何も伝えられなくなった時に、父が、お寺参りが好きで、外出が好きで、大相撲が好きで、空海のビデオを見るのが好きで、高野山の住職さんが好きで、旅行が好きで、お風呂が好きで、音楽に合わせたリハビリやウンチ体操が好きだった事、好きな事をしている時にどんなに幸せそうだったかを、その様子を見たことのない次の人に伝えて欲しいのです。どうぞよろしくお願いします。
そして最後になりましたが、皆さんのお陰で、私もまた支えられてここまでやって来られました。私は家族なので、一方的なお願いばかりで、本当に身勝手だと思いますが、父の家族として、私自身も悔いのない人生を送ってゆきたいと思いますので、これからもどうぞよろしくお願いします。勝手な事ばかり言いましたが、今日は、本当は皆さんに感謝の気持ちを伝えたかったのです。偉そうな事ばかり書いてしまって申し訳ありませんでした。これからも父(と母)をよろしくお願いいたします。
平成16年1月26日 SS:娘R子より
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在宅ケア協会に関わられておられる皆様へ
2004年4月から、MH大学の看護学科の講師に就任することになり、約4年にわたって関わらせていただいた在宅ケア協会を辞めさせていただくことになりました。
僕には色々と至らない所があったと思いますが、病を抱えながらも温かくお宅にお招きいただいた対象者の皆様、御家族の皆様、そして外山さん他援助者の皆様にはお礼の言葉もございません。
僕が在宅ケア協会と最初に関わりを持たせていただいたのは、大学3年生だった10年前でした。まだ、「看護ってなんだろう、何をする仕事なのだろう」ぐらいの理解しかなかったときに講師に来られた外山さんの「存在 × 時間」というキーワードは、その後、実習にいっても、臨床に出ても、(もちろん様々な制約はありましたが)自分の看護の基本的な構えとして、残っていたような気がします。
その頃にお会いした対象者のKKさんやSSくんが、僕が病院を辞めた後も、折り合いをつけながら生活を営まれている姿に自分が援助者として関わることのできる喜びを感じました。
その一方で、この4年の間に数名の対象者の方との永遠の別れを迎えることにもなりました。もちろんそれは僕にとっても悲しい出来事ではあったのですが、自分が病院で見てきた人の死が、あまりにも壮絶で、死と呼べるようなものかもよく分からないようなものでしたので、在宅ケア協会の対象者の方々の死は、ある種の人が懸命に生きてきた荘厳さを感じとることのできるもので、感慨深いものでした。
この4年間の中で、僕個人としても色々な出来事がありました。なかでも、一昨年体調を崩して長期に亘り休まなければいけなくなったことについては、皆様に大変御迷惑を掛け申し訳なく思っております。その後、訪問できなくなったままになってしまった対象者の皆様、御家族の皆様にはこの場を借りて、お詫びしたいと思います。
福祉の制度がこの数年で大きく変わってきた中で、在宅ケア協会も変わらなければならないところも、変えずに周囲により発信していかなければいけないところもあるのだと思います。僕がいた4年間の中でも改善されてきたことは沢山あると思いますし、まだまだ未解決なところもあります。そうした問題には、今後も一会員としてお手伝いできるところには関わって参りたいと思います。
4月からは、看護師の教育(講義や実習)にかなりの時間を費やす生活になります。これまでは研究が中心の生活でしたから随分と様変わりするだろうと思います。そのようなときに感じたのは、僕が研究に向ける厳しさは時には自分自身にもとてもストレスをかけることだったということと、在宅ケア協会で対象者の方々にお会いし援助をさせて頂く時というのは、仕事としての厳しさがあり、時には状況が切迫していることもありましたが、そういう状況でも自分にとって何か心地よい、更に言えば何か癒されるような時間だったなと思います。
本当にお世話になりました。
以上
2004/03/19 東京都葛飾区SJ男
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