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燐光群+グッドフェローズ プロデュース

燐光群アトリエの会

『 犀 』

作=ウージェーヌ・イヨネスコ
訳=加藤新吉 上演台本=坂手洋二 演出=大河内なおこ

芸術監督=坂手洋二

これがぼくだ、これがぼくだ! これがぼくだ、これがぼくだ。

『象』『動物園物語』に続く、燐光群アトリエの会「二十世紀の戯曲」シリーズ最新作。

510日(月)〜523日(日) 梅ヶ丘BOX

24日(月)〜26日(水)追加公演

左から 内海常葉 宮島千栄 下総源太朗 猪熊恒和
鴨川てんし 向井孝成 樋尾麻衣子 江口敦子

 『犀』は、1950〜60年代、ベケットと並ぶ「不条理演劇」の旗手として活躍した、ウージェーヌ・イヨネスコの代表作。ある日突然次々と犀に変身していく人間たちの滑稽さ、グロテスクさを通して、社会が一つの方向へ押し流されてゆく不可解さと恐怖を描き、1958年の初演ではヨーロッパ中にセンセーションを巻き起こしています。
 2004年現在、古びるどころかリアルタイムで時代に鋭い警鐘を投げかける本作品を、長く蜷川幸雄氏の演出助手を務める、RADA(イギリス ロイヤル・アカデミー・オブ・ドラマティック・アート)出身の大河内なおこの斬新な演出により上演します。紀伊國屋演劇賞、読売演劇大賞最優秀スタッフ賞など数々の賞を受賞し多彩に活動を拡げる松井るみの美術など、今回燐光群初参加となるスタッフ陣との共同作業。そして、燐光群では初めての試みとなるイヨネスコ作品の上演。 
 燐光群・梅ヶ丘BOXのさらなる発展にどうぞご期待下さい。

ある田舎町。
出版社に勤務しながら、生に違和感を持ち、内面の孤独を酒に紛らす生活を送る男。
同僚への密かな恋も、初めからあきらめている様子だ。
ある日曜日、友人とカフェで談笑していると……。

 <梅ヶ丘BOX>での最近作としては、2003年夏に初演し冬にも追加公演を行った『象』(作=別役実 演出=坂手洋二)、2004年1月には翻訳・演出に青井陽治氏を迎えての『動物園物語』(作=エドワード・オルビー)があります。激賞を浴びた『屋根裏』に続くアトリエでの先鋭的・継続的な作業は、着実に成果を上げているのと同時に、新作の生まれにくい現代の演劇界において、注目を集めています。今後も、「劇団」としての集団創作の良さを最大限生かしつつ、「劇団」「劇場」の枠組を越える立場としての芸術監督・坂手洋二を中心に、新たな劇空間を提示してゆきます。


〜 アフタートーク スケジュール 演出家+日替わりゲスト 〜

12日 坂手洋二(燐光群)
13日 中根公夫(演劇プロデューサー)
14日 小宮山智津子(世田谷パブリックシアター学芸)
15日 穴澤万里子(日本大学芸術学部演劇学科専任講師)
18日 松岡和子(翻訳家・演劇評論家)
19日 松井るみ(舞台美術家)
20日 中山マリ(燐光群)



<整理番号付自由席>
前売券¥2,700 当日券¥3,000
学生券¥2,200

<登場人物>(登場順)

舞台美術家 …………………… 亀ヶ谷美也子
カフェの店員 ………………… 小金井篤
カフェの女給 ………………… 宇賀神範子
カフェの主人 ………………… 杉山英之
八百屋の亭主 ………………… 内海常葉
八百屋の母 …………………… 工藤清美
主婦 …………………………… 樋尾麻衣子
八百屋の女房 ………………… 桐畑理佳
ヤン …………………………… 下総源太朗
ジェー ………………………… 向井孝成
老紳士 ………………………… 鴨川てんし
論理学者 ……………………… 猪熊恒和
デジ …………………………… 宮島千栄
パピヨン部長 ………………… 鴨川てんし
ダール ………………………… 久保島隆
ボタ …………………………… 猪熊恒和
ブゥフ夫人 …………………… 江口敦子
消防夫 ………………………… 小金井篤 杉山英之
ムッシュー・ヤン …………… 小金井篤
ムッシュー・ヤンの妻 ……… 工藤清美


<スタッフ>

美術=斉藤紀子 大島広子 松井るみ
小道具美術=福田秋雄(ゼペット)
照明=武藤聡
音響=友部秋一(オフィス新音) 
衣裳=大野典子
照明操作=大西孝洋
音響操作=江口敦子 内海常葉 
舞台監督=吉田智久
演出助手=塚田菜津子
舞台監督助手=清水弥生
文芸助手=久保志乃ぶ 圓岡めぐみ
イラスト=加藤也子
宣伝意匠=高崎勝也
Company staff=中山マリ・川中健次郎・瀧口修央・裴優宇
著作権代理=(株)フランス著作権事務所
照明協力=株式会社クリエイティブ・アート・スィンク
協力=(株)センターラインアソシエイツ
   高津映画装飾株式会社 三森みゆき
   岡野彰子 加藤聡 合田真依子 城間優子
   園田佳奈 寺島友理子 仲川百合子 増永紋美
   八代名菜子 吉村敦子
制作=古元道広・川崎百世・国光千世
芸術監督=坂手洋二

平成16年度文化庁芸術団体重点支援事業

■当日配布パンフレットより

演出家の恐怖は、ほとんど戦慄的だといえるような気がする。
すくなくても、ぼくの初めての演出は、そうだった。
世界中の人が、ぼくの敵になったように思えるのだ。いや、それは今でも変らない。
大河内なおこさんが、どんな演出をし、どんな演出家になるのかは、大河内さん自身の、世界や人間へのかかわり方の、証明だ。
さて、大河内さんは、いったいどんな演出家なのか。
激しく、革命的な演出家の誕生を、ぼくはのぞむばかりである。
蜷川幸雄

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 三月、久しぶりにアメリカに行って、公開直後でナンバーワン・ヒットとなっていた映画『ドーン・オブ・ザ・デッド(死者たちの夜明け)』のリメイク版を、アメリカの若い友人たちと深夜に観た。私はこの映画のオリジナル版を含むジョージ・A・ロメロ監督のゾンビ映画三部作は、他の類似品とはかけ離れた傑作だと信じている。ワイワイ騒ぎながら観るはずだったが、オリジナル版の思想性はおぼろげになっていていささか肩すかしだった。なにしろ、よろよろ歩いていたはずのゾンビが全力疾走するのがいけない。……しかし途中で映画のオリジナル・ストーリーについて、「なんだ、『犀』だったんじゃないか!」と気づき、茫然とした。
 オフ・ブロードウェイで今季一番の問題作とされていた『BUG』も、男女がモーテルの一室で世界を滅亡に導く「虫」とたたかう緊張と頽廃が混ぜ合わさった空気が、またもや『犀』との類似性を濃く感じさせるものだった。
 イヨネスコ作品きっての問題作は、イラク・イスラム危機と狂牛病・エイズに覆われた世界恐怖のネットワークを背景に、新たな命を吹き込まれようとしている。初演出作品に『犀』を選んだ大河内さんの世界感覚は、その顫動を確実にとらえていたのだ。
 私は、なるべく訳の解釈をそのままに、現在という時間が取り込みやすいように、また、稽古の自由度を邪魔しないように、最低限の台本アダプトをさせていただいた。
 燐光群とは初めての出会いとなるスタッフチームの力を得て、梅ヶ丘BOXという空間の新たな可能性が引き出されようとしている。
こうして大河内さんのデビューをお膳立てできることは、劇団にとってこの上ない喜びである。

坂手洋二

ウージェーヌ・イヨネスコ (1912〜1994)
ベケットと並び、「不条理演劇」を代表する戯曲家として、現代演劇史に名を残す存在。 ルーマニア人の父とフランス人の母の間に生まれ、少年時代を主にパリで過ごす。ルーマニアのブカレスト大学を卒業、1938年以降フランスに定住した。戯曲を発表し始めた当初は斬新な作風が世に容れられなかったが、50年代後半より一躍脚光を浴びる。代表作に『禿の女歌手』『授業』『椅子』など。

大河内なおこ
1992年、R.A.D.A.卒。蜷川氏との出会いは『ペールギュント』ロンドン公演。以来、演出助手として『身毒丸』『グリークス』『ペリクリーズ』『エLレクトラ』など氏の作品に携わる。
翻訳ではペーター・ハントケ作『カスパー』邦訳、深津篤史作『うちやまつり』英訳など。
燐光群+グッドフェローズでは、『小泉八雲劇場<夜光るもの>』『CVR チャーリー・ビクター・ロミオ』『象』で演出助手を務めている。


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