性具手帳

 5月の第1週の月曜日、岩瀬達也は、憂鬱な気分で学校へと、向
かっていた。2週間前に同級生の朝倉美恵にある仕打ちを受けて以
来、地獄のような日々が続いているのである。
 それは、達也が中学の2年に進級して間もない頃の事であった。
その日、達也は、放課後図書室で、一人本を読んでいた。図書室に
は、達也と同じクラスになったばかりの図書委員の美恵の二人きり
であった。
 達也が、ブラッドベリの火星年代記を夢中になって読んでいると
背後から、美恵が声をかけてきた。
「岩瀬君、本当に本が好きなのね、図書委員としては嬉しいわ」
 いきなり、女の子に声をかけられた達也は、しどろもどろに返事
を返した。
「い、いや、そうでもないよ。朝倉さんこそ、図書委員をやってい
る位だから、本が好きなんでしょう」
 美恵は、悪戯っぽく笑って答えた。
「いーえ、殆ど本は読まないの。私が好きな読み物は、一つしかな
いのよ」
「へーえ、何て本なの」
「実はね、まだ、存在していないのよ」
 達也は、怪訝な顔で美恵を見つめた。
 美恵は、先程までとはうってかわった、厳しい表情で言った。
「それはね、これから、岩瀬君に書いて貰うのよ」
「え、何それ、僕は小説なんて書けないよ。冗談はやめようよ」
 美恵は更に、厳しい表情になった。
「冗談なんかじゃないわ。岩瀬君、いえ、達也、おまえが書くの
よ」
 美恵は、椅子に座っている達也の髪を後ろに引っ張り、そのま
ま床に転がしてしまった。
 達也は、後頭部をしたたか、打って、声がだせなかった。
 美恵は、倒れている達也に覆い被さって、いきなり、口の中に
舌を入れ、達也の舌を舐め回した。
 達也は、今、自分に起きている事が信じられなかった。腰まで
届くロングヘアのおとなしそうな、小柄な少女が今、自分に猥褻
な行為を無理矢理おこなっているのだ。
 美恵は、達也への長いディープキスを終えると、にやりと笑って
、右手で股間をズボンの上から、握りしめた。
「あら、勃起してないじゃないの。失礼ね。いいわ、これからお
姉さんが気持ちよくしてあげるからね」
 達也は、後頭部の痛みが大分、薄れてきて、意識がしっかりし
てきたので、美恵を引き離そうと両腕で押した。
 その瞬間、美恵は凄まじい形相になって、達也の顔面にパンチ
を食らわせてきた。
「ひ、ひい、痛い」
「おまえが、なめた真似をするからよ。男の癖に、力で女にかな
うわけがないでしょう。これから、女の力を思い知らせてやるわ」
 美恵は、立ち上がると、達也の腕をひっぱって、引きずり起こ
した。
「さあ、可愛がってあげるわよ」
 美恵は、達也のズボンのベルトを外すと、一気にブリーフごと
引きずりおろしてしまった。達也は、美恵が恐ろしく、何の抵抗
もできなかった。放課後の図書館、勝ち誇った美恵と、包茎のお
ちんちんを露出させてうなだれている、達也の二人きりであった。
 美恵が嬉しそうに、右手で、達也のおちんちんを扱き始めた。
「あ、い、嫌、やめて」
「ふん、嬉しい癖に。それが証拠に、おちんちん大きくなってき
たじゃない」
 事実、達也のおちんちんは、美恵に悪戯されて勃起させられて
しまっていた。
「さあ、じゃあ、味見させて貰うわよ」
 美恵は、セーラー服のスカートをたくし上げると、パンティを
膝までおろして、おまんこを達也のおちんちんにあてがった。
 達也は、犯される恐怖で悲鳴をあげた。
「き、きゃあ」
 しかし、美恵は一切構わず、そのまま、達也のおちんちんをく
わえ込むと、腰を振り始めた。
 童貞の達也は、あっという間にお汁を美恵のおまんこに搾り取
られてしまった。
 美恵は、舌打ちすると、達也から体を離した。
「ふん、もう出しちゃったの。まあ、いいわ、これからお姉さん
がじっくり仕込んであげるから」
 達也は、同級生の女の子にお姉さんと言われて、むっとして、
思わず言い返してしまった。
「朝倉、何がお姉さんだ。同級生じゃないか」
 美恵は、達也を睨み付けると、いきなり、両頬に往復ビンタを
食らわせた。
「い、痛い」達也は、悲鳴をあげた。
「生意気な口を聞くんじゃないの。いい、これからは、美恵お姉
さまと呼びなさい」
 達也は、黙っていた。
 再び、ビンタがとんできた。
「さあ、私の名前を呼んでごらんなさい」
 達也は、観念した。力では、美恵には、とうていかなわないの
だ。
「み、美恵お姉さま」
 美恵は勝ち誇って口を開いた。
「そう、いい子ね。ところで、達也、さっき、私が言った事覚え
てる?」
 達也は、何も覚えていなかったので、首を横に振った。
「お馬鹿さんね、私の読みたい物は達也が書くんだって言ったで
しょう」
 達也は、思い出した。しかし、一体、何をかけと言うのであろ
うか
「あ、はい、思い出しました。でも、一体、何を書くんでしょう
か?」
 嬉しそうに美恵は笑った。
「それはね、性具手帳なのよ。ようは、1週間に1度、月曜日に
火曜日から日曜日までに、何回オナニーをしたか、そして、その
時に誰でオナニーをしたかをノートに書いて私に提出するのよ」
 達也は、首を振っていやいやをした。
 美恵は、すかさず、右手を振り上げる動作をした。ぶたれるの
が恐ろしくて、達也は、慌てて、返事をした。
「わ、分かりました。提出します」
 美恵は満足そうに頷いた。
「そう、分かればいいのよ。じゃあ、来週から、きちんと提出す
るのよ。忘れたりしたら、お仕置きだからね」
 これが、2週間前の出来事であった。
 登校の途中、達也は毎日、この事件を思い出してしまうのであ
る。
 やがて、達也は、校門をくぐり、教室に入った。既に、美恵が
登校していて、達也を見た。
 達也は、鞄から、一冊のノートを出すと、美恵に手渡した。美
恵は、何も言わずに受け取ると、ノートを自分の鞄にしまいこん
だ。
 そのまま、何も起こらずに授業が始まり、やがて、終了し、放
課後になった。
 美恵は、目で達也に合図をすると、一人で図書室へ向かった。
達也は、美恵が出て行ってから、30分程してから、図書室に入
る事になっている。その間に美恵がノートを読んでおく事になっ
ているのである。
 やがて、時間が経過したので、達也は図書室へ向かった。図書
室に入ると、美恵が椅子に座って待っていた。
 美恵が口を開いた。
「さあ、達也、座りなさい。今週は、随分、オナニーをしたんだ
ねえ。毎日じゃない。水曜日なんて、4回もオナニーしているじ
ゃない。安室ちゃんの写真集なんか買うからよ。いやらしい子ね」
 そう、大好きな安室の写真集が発売されたもので早速、購入し
た達也は、それをネタに毎日オナニーしてしまったのである。し
かし、ある変化が生じていた。今までは、女の子を抱く事を考え
てオナニーしていたのが、美恵の性具にされてからは、逆に女の
子に抱かれる事を想像してオナニーをするようになっていたので
ある。事実、オナニーではなかったが、安室に犯される夢を見て、
達也は、今朝、夢精をしてしまっていた。
 美恵が続けた。
「そんなに安室ちゃんに犯されたいの、達也?」
「い、いえ、ただ、美恵お姉さまに抱いて貰ってから、女の子に
抱かれる事ばかり、考えるようになっちゃったんです。安室じゃ
なくてもです」
「ふーん、おまえ、やっぱり、マゾだったんだね。最初から、そ
うだと思っていたんだ」
 達也は、むきになって言い返した。
「ぼ、僕は、マゾじゃありません」
 美恵は構わずに続けた。
「ふーん、マゾじゃないなら、何で、女の子に犯される事を想像し
てオナニーなんかするのよ。おかしいじゃないの」
「そ、それは」
「それは、何なの!」
 達也はかぼそい声で口を開いた。
「美恵お姉さまに抱かれてから、そういうふうになっちゃったん
です」
「ふーん、私に犯されてからねえ、でも、きっかけはそうかもし
れないけど、それは、もともと、お前がマゾの素質をもっていた
からよ」
 そう言われると、達也は反論できなかった。
「まあ、それはそうと、これから、オナニーの再現をしてもらい
ましょうか。この水曜日の3回目のがいいわね。安室ぉ、僕を犯
してぇっ!と叫んで射精した奴ね」
 達也は、ズボンを脱ぐと、おちんちんを右手で扱きながら、美
恵に命令された通り、同じセリフを口に出した。
「安室ぉ、僕を犯してぇっ!」
 美恵が笑いながら、囃したてる。
「ほら、もっと、大きな声で!」
「は、はい。安室ぉ、僕を犯してぇっ!安室ぉ、僕を犯してぇっ
!」
「あはははは、情けないわね。ほら、さっさと出しなさい。終わ
ったら私のおまんこで食べてあげるから」
「あ、ああっ!」達也は絶叫すると、おちんちんから、お汁をほ
とばしらせた。
 美恵は、床に飛び散ったお汁を暫く見つめていたが、やがて、達
也に目線を合わせた。
「さあ、達也、これから犯してあげるから、美恵お姉さま、僕を犯
して、と言いなさい」
 達也は、おとなしく従った。美恵には、逆らえない事を思い知ら
されているからだ。
「み、美恵お姉さま、僕を犯してぇ!」
「よしよし、今、犯してあげるわよ」
 美恵は、スカートを脱ぐと、パンティも脱ぎ捨てて、おまんこで
萎んでしまった達也のおちんちんを擦りあげた。やがて、おちんち
は、再び、大きくなって、おまんこができる状態に回復した。
 美恵は、一気におちんちんをくわえ込むと、激しく、腰を振り始
めた。美恵に犯されながら、達也は、悲しみと同時にある種の喜び
も感じていた。やはり、自分は、マゾなのだろう。決して、嬉しく
はないが、心と体は正直にかんじてしまうのだ。これからも、美恵
に辱めを受け続けるのであろうが、今の達也は、それを運命として
受け入れていた。
 美恵の何度目かのピストン運動で、達也は、再び射精した。ぐっ
たりとしながらも、達也は、美恵にしがみついて、顔を擦り付けた。
 美恵が口を開いた。
「達也、私の物になったわね。これからも可愛がってあげるからね」
 達也の頭に、今の美恵の言葉が至高の言葉として響いていた。自
分は、マゾで美恵の性具なのだ。そして、それに喜びを感じている。
 達也は、口を開いた。
「来週も、ちゃんと、性具手帳を持ってきます」
 美恵は、嬉しそうに微笑んで、頷いた。
 二人の間には、最早、言葉は、必要なかった。そこには、支配す
する者とされる者が持つ、美しい時間が流れていた。

                             完

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