精神科医を活用する方法 

どんなタイプのうつが精神科医の治療で治りやすいか 

 うつ状態というのは誰でも経験します。いやなことや悲しいことの後もあれば、何か体調の悪い時期の前後に起こることもあるかもしれません。時には思い当たる原因がないのに何となく気分が沈むようなこともあると思います。「ゆううつだ」、「気分が落ちこむ」などと表現される気分の状態を抑うつ気分と呼びます。この抑うつ気分を感じている状態がうつ状態です。うつ状態では抑うつ気分の他にも、集中力がない、意欲がわかない、自分を責める、涙もろい、疲れやすい、食欲がない、などいろいろな症状が出ます。 

 うつ状態では、どのようなうつ状態であっても精神科医を活用していただく価値があります。ではその中でも、どのようなタイプのうつ状態が精神科医の治療で治りやすいのでしょうか。同じうつ状態であってもそれが「(1)ゆううつ感や体調が、朝や午前中悪く、夕方から夜軽くなる傾向がある、(2)食欲がなく、体重が減る、(3)不眠があり、寝つきが悪いというより、明け方目がさめやすかったり、夜中に目がさめる傾向がある、(4)好きなこともやる気がなくなる」などの特徴を持っている時は、早めに精神科受診をお考え下さい。もちろんうつ状態が強くなれば、午前中だけではなく一日中具合が悪くなりますし、一晩中眠れないことも起こります。「(4)好きなこともやる気がなくなる」というのは少しわかりにくいかもしれませんが、ゴルフ好きな人がゆううつになった時、ゴルフをすれば気が紛れる場合よりも、ゴルフをする気にもならない場合の方が精神科医の治療でよくなることが多いというような意味です。たとえ、職場や家庭内に明らかにうつ状態の原因となるような出来事があったとしても、上のような特徴があれば、精神科医に相談された方がよいと思います。 

 このようなタイプのうつ状態では、薬ののみ方、休養のとり方、まわりの方の接し方などについて、精神医学は確立された治療方針を持っています。それを利用しないで、「頑張ろう(頑張れ)」、「ストレス対処にうまくなろう(うまくなれ)」、「自分の性格をもう一度考えてみよう(考えてみろ)」、「薬に頼らずカウンセリングで治そう(治せ)」などと、ご本人や周囲の方が医学にもとづかない「常識」的な対応をしていては、患者さんがかわいそうです。以上。

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