ロードスター・チューニングMJ流

エンジン編


Step1: ノーマル燃焼室を研究する

チューニングのためには、ノーマルを研究しなくてはならない。我々
の数百倍もエンジンに詳しい大メーカーの開発陣が巨額の資金と歳月
をかけて開発してきたエンジンである。彼らは大学出である。という
ことはMJ西尾が髪の毛を背中まで伸ばし高校の授業にも出ずヘビーメ
タル界のスーパーギタリストとして地元のみでブイブイいわしている
間にもきっちりと勉強されていた方々だ。確かに出来がイマイチなの
もあるが、我々はそのへんを踏まえて謙虚な気持ちでエンジンと対峙
しなくてはならない。


では早速、マツダB型エンジンを分解してみよう。
おおっ、これはひどい。
ナニがひどいのかと言うと、まずはヘッドのバリだ。右の写真を見て
ほしい。これはなにもオーナーの匿名希望の富○通Yくんの日頃の行い
が悪くてこういう汚い作りのヘッドが当たったわけではない。B型は
B6、BPともにすべてのヘッドにこういうバリがあっちこっちに残っ
ている。
ではこのバリは無害なのか? 確かに他メーカーのエンジンでも多少
はバリは残っているし、バリといえども簡単に剥がれてオイルと共に
エンジンの中を駆けめぐったりはしない。だから大丈夫だろう..........
このあと腰下を分解してみると、オイルパンから人差し指の爪の先ほ
どのバリが出てきた。おそるべしマツダエンジン。しかし不思議と、
剥がれ落ちたバリが原因でブローした例は聞かない。どうせ3万kmも
走れば内部はガサガサになってしまうB型だから乗っていても分からな
いのだろうか。
ちなみにこのバリは、完全に無くそうとするとヘッドのいたる所を削
らなくてはならないので工賃がハネ上がる。そんな場合は取れそうな
ものだけ削っておけば大丈夫だが、工賃が関係ないプライベートのひ
とは是非きっちりやって欲しい。

さて次にヘッドの内側、燃焼室に目を向けてみよう。
おおっ!!
ナニがひどいってB型エンジンでこれほどひどい所は他にもあるけど
やっぱり一位はここかなという燃焼室の切削加工のひどさ!!

写真左側の燃焼室はまだましだが、右は何じゃあこりゃあっ!!(マツダ
だけに松田優作風に)。燃焼室のエッジラインが無茶苦茶である。
右側にしても、両方ともバルブシートリングにエッジラインが被さる
ようになっていて形状は悪い。コンパクトな燃焼室に対して出来るだ
けバルブ面積を稼ごうとしているのだが、スキッシュエリアの製造形
状が悪いので単なる猿智恵に終わっている。どういう意味か解らない
ひとは、自分が混合気になった気分でイメージしてほしい。
ビストンの下降で生じた負圧にひっばられて、長い長い通路を通って
ポートで絞りこまれスピードが上がって、やっと見えてきました燃焼
室。さあ一気に放出だ.......両手を広げて......おっと片方の腕がエッジに
引っかかっちまったぜ。ああっフラつくフラつく........
こうしてせっかくの流速は単なる乱れに変換されてしまい、設計者が
意図したスワール(渦)とはまったく別の乱流が発生し、完全な燃焼は
得られないのである。
これは次の写真を見てもらえば良く解ると思う。これはざっとクリー
ナーとペーパーで清掃したものだが、スキッシュエリアの製造形状が
悪い部分に根深くデポジットが溜まっている。なお右側は17万km使
用後のハチロク4A-Gのノーマル燃焼室であるが、バルブ周りを意図
的にゆったり取ってあるため、こんな状態にまでなっていてもひどい
乱流痕は無い。


このように、燃焼室の清掃は一気にやらずに少しづつ段階的にやるこ
と。そうすればデポジットの深さがよく解る。とにもかくにもノーマ
ルをよく知ること。そして設計者の意図と、製品の違いをよく見極め
よう。
まったく別の発想から燃焼室を削るのもいい。しかしノーマルを見極
めたチューンは、言ってみればメーカーの開発者と協力してエンジン
を造るようなものだ。つまりまさに「改良」と言えるチューニングで
はないだろうか。


(以下、週刊MJマガジン内「特集」と連動して随時更新)




MJ-CLUB WORKS TOP PAGE