DYデミオチューン増刊号

デミオのエンジンは、遅いっ!
そんなわけでMJにはよくデミオチューンの問い合わせがくるので
ここらでちょっと特集してみよう。

デミオのエンジンがなぜ遅いかというと、

・圧縮比がホンダ系スポーツエンジンと較べるとまだまだ低い
・インテークポートが最悪
・吸気管が長すぎて、吸気するためにエンジン出力を食われている

の3つが最たるところである。
だが、燃費はいいし、町中を普通に走るぶんにはトルクも十分だ。
それでも、急加速しようとアクセルを踏み込むとレスポンスの悪さ
が目立ってしまう。
これを何とかするにはどうすればいいのか?


まずは圧縮比アップ。デミオはヘッドを面研するとフロントカバー
も面研して高さを合わせなくてはならないが、これは大して難しい
ものではない。
だが、デミオは高精度のノックセンサで常に点火時期をフィードバ
ック制御しているので、ただ圧縮比を上げただけではノッキングが
出てノックセンサに引っ掛かり、点火時期が遅角されてパンチが出
ない。圧縮比を上げるだけでもノーマルよりグンと良くなるが、予
算が許せば燃焼室にノッキングが出にくくなるような加工をしたい。


吸気管については過去のMJマガジン冬号を見ていただくとして、
今回特に取り上げたいのはインテークポートである。
レスポンスの良いエンジンには、優れたインテークポートが欠かせ
ない。排気は高温のため高速で流れるため排気ポートはそれなりで
もエンジンはスムースに排気できるのだが、吸気ポートが不出来な
エンジンは他で何をしようとも高性能とはならない。
それでは、デミオのインテークポートを見てみよう。





まず気付くのは、鋳肌が物凄く粗い!!
ホンダは目の細かい特殊な鋳型を必死で開発し、ポート研磨が不要
なほどスベスベしたポートをとっくの昔に実現している。他メーカ
ーも順次そういう鋳型に切替えていっている。
ところがデミオのこの鋳肌は、昭和のエンジンから何も変わってい
ない。
さらに、写真の矢印部分を見ていただきたい。左の写真ではシート
リングがポートに出っ張っていて、右の写真部分は逆にポートが余
っている。
これを断面図にするとこんな感じ。



ずっ、ズレてるやん!
うーん製造時にシートリングをハメる機械の都合かな?と思うが、
この製品状態は決して設計時の性能を実現しているとは言いがたい。
この状態はZJでもZYでも全く同じで、今までバラしたどのエン
ジンでもこうなっていた。決して個体差ではない。
なので、デミオのエンジンチューンは何よりもこの激しいシートリ
ングのズレを修正してやることが大切だ。
かといって、シートリング付近はいたずらに拡大すると通称コブラ
ポートと呼ばれる最低の形状になってしまう。この部分で容積が必
要以上に大きいと、吸気エネルギーが最初の最初で食われてしまう
からだ。
だからこの部分の加工は、豊富なポートチューンの経験が要求され
る。スムースに吸気が流れるようにしつつ容積をあまり上げないよ
うに削るのに微妙なさじ加減が必要なのだ。ホンダのタイプR系が
社内からよりすぐった熟練工の手作業でこの部分を仕上げているの
は有名な話である。
また、ここの整形はエンジニアそれぞれのポリシーや個性が表れる
部分でもある。
MJでヘッドチューン時に整形している形状はこんな感じ。




この状態からオーダーのランクに合わせて仕上げをしていくわけだ
が、とにかくデミオのエンジンチューンにおいてはこの部分がめち
ゃくちゃ重要である。
そのほかは前述の燃焼室形状変更、特にバルブ脇の流れを良くする
ように削ることがポイントだ。


DYデミオの場合、腰下のオーバーホールが今すぐ必要な車両は少
ないので、もちろん全体N1チューンはフリクションロスを出力に
回して効率が向上するので速さの面でも燃費面でも大変に有効だが、
予算に限りがある場合は何が何でもまずヘッドには手を入れたい。

DY3W,DY5Wヘッドチューン工賃

N1仕様STD-Spec \150,000
N1仕様PRO-Spec \210,000


N1仕様は圧縮比を上げずノーマル圧縮比のままレスポンスを向上させる仕様です。
オイルクーラーが不要です。
ハイコンプ仕様の場合はヘッド面研&フロントカバー面研の加工代\28,000が追加になります。
またハイコンプ仕様では出力向上分油温が上がりますので
快適に走行するにはオイルクーラーの装着が必須です。

ハイコンプ仕様
N1-Plus STD-Spec \178,000 (カタログ値出力実現狙い)
N1-Plus PRO-Spec \238,000
 (カタログ値出力オーバー狙い)


・ヘッド脱着工賃は車検証の形式頭がUA,TAは\60,000、DBAは\72,000です(ガスケット含む)
 ヘッドを地元工場にて脱着し、お送りいただいてのヘッドチューンも可能です
・価格は全て税抜本体価格です
・チューン後の出力値は補機類の仕様およびeマネージの使用・不使用で変わってきます
・ハイオク仕様、レギュラー仕様、eマネージが不要な仕様等できますので
 予算や使用目的をご相談ください
(ヘッドチューン工期2週間〜)

なおZJ(1300cc)のヘッドチューン済み実測103psハイコンプエンジンあります。
レスポンスビンビンです。燃調にeマネージの使用を推奨しますが、なくても乗れます。
eマネージ(青)を使用する場合は103ps時のデータをお付けします。
(そのままで現車に合うとは断言できませんのでご注意ください)
全国発送可能です。詳細な仕様と価格はお問い合わせ下さい。






さて前述したように、デミオは元々冷却系がカツカツなので、ハイコ
ンプ仕様にした場合はオイルクーラーの装着は必須となる。
エンジンがノーマルでも、夏場のスポーツ走行でエンジンを傷めない
ためには是非とも装着したい所だ。





※写真のようにストリート用とサーキット用ではマウント方法・位置が異なります。
 デミオは構造上、またマウントスペースの制約上、バンパーの脱着、バンパー骨組の加工脱着が必要で
 ワンオフ現車合わせ配管のため費用は他車よりちょっと高めになります。(部品・工賃込み\110,000〜)
 詳細は使用目的によりご相談ください。
(工期1日〜1泊2日)

オイルクーラー装着のノウハウ:
写真左はストリート用です。
エンジンオイル交換時にオイルクーラーコア内のオイルを抜きやすいように
ホースを下側で接続しています。
(たまに勘違いしている人がいますが、油圧ラインは高圧のため上下は流れに関係ありません)
また、バンパー開口部とナンバープレートの間にクーラーコアがくるように
中心からオフセットして取り付けています。
対して、写真右のレース用ではホースアダプタをパンパー骨組内に収めています。
これは、サーキットではタイムアタック中にグラベルゾーンにハマる事も多く、
その際はラッセル車のように砂利をかきわける状況になるため、通常の路面からは
十分な距離があるとはいえ、破損しやすいホースアダプタを下側に出さないのです。
この仕様ではコア内部のオイルまで抜いてオイル交換する際に若干工賃が必要になりますが
万一を考えるとどちらが良いお金の使い方か、という事ですね。
またクーラーコア位置はサーキット走行時にナンバープレートを外した時に最大の
冷却効率を発揮するようにセンターに取り付けています。
クルマのカスタマイズはこのような細かい配慮・ノウハウが出来上がりを左右します。何事も
経験豊かなプロに相談することをお勧めします。



なおご要望があればオイルクーラーコア保護のための
バンパー開口部の防護ネットも張ることが可能です。
(部品・工賃込み 亜鉛ネット仕様\9,000〜)






続いて
DY3W・DY5Wデミオ用レース用サスキット
実は販売しています



特に宣伝していませんが口コミで拡がっています。
一般市販品はシェルケースが長く、かつレース用のバネレートの設定
がありませんが、MJでは専用シェルケースをオーダーすることで、
ストロークを確保したまま低車高・高レートスプリングを実現してい
ます。
ダンパーはロードスター用で大好評の超低圧ガスダンパーのため、プ
リプリした跳ねがなく動きがしなやかでラップタイム及び町乗りでの
乗り心地に好結果を得ています。
またリアにはヘルパースプリングを採用しています。峠やセントラル
サーキットのようなタイトコーナーでのコーナリング時はこのヘルパ
ースプリングが伸びることによってイン側リアタイアの接地を確保で
きます。
さらに、デミオのリアスプリング取り付け部は造りが簡単すぎて剛性
が低いので、高レートのスプリング荷重を受け止めるための補強スチ
ールプレートをセットしています。








サーキット走行派・峠派には自信を持ってお勧めできるサスキットですが、
難点はデミオのサス形式上、構成部品が非常に多いので価格があまり安くはない点です。
それでも、乗っていただけばこの仕様の素晴らしさは納得だと思います。
全くの初心者のうちはいいですが、ある程度サーキット走行に慣れてきたら
コースに合わない柔らかいバネレートでいつまでも練習するのはお金のムダ使いです。
バネレートは「パーツに頼らず腕でカバー」というレベルのものではありません。
工学的に必要なのは根性論ではなく何よりも、コースに合ったバネレートです。


DY3W・DY5Wデミオ用レース用サスキット構成部品

・フロント車高調整式シェルケース
・フロントカートリッジ式4段調整超低圧ガスダンパー
・フロントピロアッパーマウント
・フロントスプリング
・フロントダストブーツ
・フロントデルリンスプリングシート
・リア8段調整超低圧ガスダンパー
・リアダンパー長調整ロッド
・リア新品純正アッパーマウント
・リアスプリング別体式車高調整ユニット
・リア車高調整ユニット固定ボルト
・リアスプリングロアシート
・リア補強スチールプレート
・リアスプリング
・リアヘルパースプリング
・リアヘルパースプリングシート
・リアダストブーツ
・リアデルリンスプリングシート
・車高調整用レンチセット


フルキット価格 \248,000(税抜価格)
納期 平時14日〜20日

なおバネレートはセントラルサーキットにて
ラジアルタイア 推奨F8k R6K、
Sタイア 推奨F10k R8Kです。

※リアスプリング6K以下の場合は補強スチールプレートはハメ込みでOKです。
 それ以上は溶接、及び他部分の鉄板溶接補強を強く推奨します。詳しくはご相談ください。
※Sタイア使用時はLSDが無いとまともに走れませんのでご注意ください。


ちなみにKAAZ LSD組込工賃は
車体とのミッション脱着など全部コミコミで\142,000(税抜価格)です。
KAAZのLSDはイニシャルトルクが低いのにロック率が高いので、コーナリング中に
ギクシャクした動きにならずスムースに立ち上がれます。
デミオが恐ろしいスピードでコーナーを曲がれるようになるので
お勧めです。



さらに
DY3W・DY5Wデミオ用 レース用ブレーキパッド&シュー
新発売






全日本ラリーVitzで協力体制にあるBRIGのご協力により
このたびオリジナルオーダーパッド&シューが製作できるようになりました。
しかも凄く安い価格です!


・初級者〜中級者用 1台分set\28,000
(税抜価格) ※ストリート・峠でも使用できます
・上級者用  1台分set\34,000(税抜価格) ※ジムカーナ上級者にもマッチします
・超上級者、耐久レース、公式戦用  1台分set\48,000(税抜価格)

※納期 平時2週間

くれぐれも1台分セットの価格です。但しリアブレーキシューは下取りとなります。
どの種類を選ぶかはアベレージスピードと温度域によりますので具体的な使用目的を
ご相談ください。
いずれも一般用スポーツパッドとは比較にならない制動性とコントロール性を実現し、
スポーティー走行から本格サーキットユースまで対応します。
また制動性とコントロール性のブレンド具合を特注することも可能です。
BRIGは派手な宣伝活動をしていませんが全日本ラリー、スーパーN1を長年サポ
ートしている実績あるメーカーです。公式戦関係者は誰でも知っています。
こんな価格なのに十分にレースで使用できます。ガンガン使って練習してください!

※他にも様々な車種のブレーキパッド&シューが製作できるようになりました。
 旧車、絶版車、輸入車など一度ご相談ください。



その他、ノーマルサクション廃止ダイレクト吸気(バッテリ移動なし下方吸気)など
DYデミオに関してはご希望に合わせた様々なカスタマイズを行なっています。
仕様はオーナーの使用目的・お好みに合わせる事が可能ですので何でもご相談ください。
(今回掲載内容の中で問い合わせが多いものがあれば
 後日詳細な解説を載せますのでリクエストください)










ご意見、ご感想、励ましのメールをお待ちしています

※迷惑メール対策フィルタに掛からないよう、相談メールの題名は必ず「チューニング相談」と
してください。なお氏名の記入の無いメールにはお返事していません。


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