11月7日の衆院本会議で公明党を代表し、貸金業規正法改正案に関して質問を行いました。
多重債務者の増加防止へ、貸金業規制の強化を柱とする貸金業法案などの改正案が7日、衆院本会議で審議入りしました。公明党を代表し質問に立った石井啓一は、多重債務者が200万人にも上るといわれ増加している現状を踏まえ、改正案では、@貸金業者の適正化A過剰貸付の抑制B上限金利の引き下げによるグレーゾーン金利撤廃―などが盛り込まれた点を高く評価。その上で、「多重債務者問題を速やかに解決するため、今国会で本法案を成立させるべき」と強調した。また、「多重債務に陥らないため、金利と貸付総量をともに規制することが重要」と指摘。特に、返済能力を超える貸し付けの禁止などの措置を「画期的な対応」とする一方、返済リスク(危険性)の高い借り手がヤミ金融に向かうとの懸念を示し、「関係機関が一体となり、徹底したヤミ金融の取り締まりを行うべき」として政府の対応を求めた。
塩崎恭久官房長官は、「多重債務問題の解決には、ヤミ金融への徹底した取り締まりが重要」と述べ、内閣府に設置する「多重債務者対策本部」で関係省庁が連携して対応していくと答えた。
一方、石井啓一は、法案作成で、公明党が小額短期の貸し出しに限って高金利を認める特例措置の導入や、利息制限法の上限金利区分の変更をしないよう主張し、法案に反映された点を力説。さらに、「緊急に資金が必要になった際、貸金業者への借り入れに頼らなくてすむセーフティーネット(安全網)の充実も重要」として、低所得世帯に対する生活福祉資金貸付の迅速化を求めるとともに、中小零細企業には、セーフティーネット貸付・保証制度を拡充する必要性を強調した。
塩崎官房長官は、生活福祉資金制度の周知徹底や手続きの迅速化に努めるとしたほか、中小零細企業の早期再生を図る観点から、対応を検討すると述べました。
質問の内容は次の通りです。
貸金業規制法改正案に関する質問
私は、公明党を代表して、ただいま議題となりました「貸金業の規制等に関する法律等の一部を改正する法律案」に関しまして、質問いたします。
【我が国の金融システムに関する課題】
法案への質問に先立ち、我が国の金融システムに関する課題について質問します。
我が国の金利体系は、低金利の銀行貸出が多くの貸出残高を持っている一方で、貸金業者による出資法の上限金利に近い高金利での貸出が一定の残高を持ち、その中間の金利での貸出が少ないという特徴があります。近年、銀行のカードローンや銀行系の貸金業者が中間金利での貸出を行うようになりましたが、まだまだ残高は少ない状況です。本来、借り手のリスクに応じた多様な金利体系が整備されることが望ましく、政府としてもそのような金利体系の整備を推進すべきと考えますが、金融担当大臣の見解を伺います。
また、我が国の金融機関の与信業務は、いまだ担保や保証人に頼る傾向が強くあります。金融機関が目利き能力・リスク評価能力を身に付け、担保や保証人に過度に依存しない融資を行うことが望ましく、政府系金融機関が率先して実行し、民間にも促していくべきと考えます。官房長官並びに金融担当大臣の見解を伺います。特に、中小企業の経営者には、企業の融資に個人保証を求められる場合が多く、企業破綻した場合の再挑戦が難しい要因となっています。中小企業経営者に個人保証を求めない融資を推進していくべきであります。また、企業破綻して再挑戦に取り組む者への支援では金融支援が重要であり、推進すべきであります。金融担当大臣の見解を伺います。
【法案の早期成立】
続いて、法案に関して質問します。今回の改正案は、昭和58年に貸金業規制法が制定されて以来の抜本的な改正になります。近年の改正を振り返ると、平成11年には、商工ローン問題を契機として、出資法の上限金利を40.004%から29.2%に引き下げ、平成15年にはヤミ金融問題を契機として、貸金業者の登録要件の厳格化、無登録業者に対する規制強化、取立て規制の強化等を行ったところであります。私自身も法改正に関わり、一定の効果はあったと自負していますが、残念ながら対症療法の域を出ず、多重債務者問題が深刻化しています。例えば、自己破産者は平成6年の約4万件から平成17年には約18万件になっており、多重債務者の数は約200万人にのぼると言われています。
今回の改正案は、@貸金業の適正化、A過剰貸付の抑制、B出資法の上限金利の引き下げとグレーゾーン金利の廃止、Cヤミ金融への罰則強化、D政府を挙げた多重債務者問題への取り組み等、貸金業の制度の土台からの抜本的な改革を断行し、新たな多重債務者を生まないことを目指しており、高く評価いたします。ついては、深刻化している多重債務者問題を抜本的かつ速やかに解決するために、今国会で必ずや本法案を成立させるべきと考えますが、金融担当大臣の決意を伺います。
【法案策定の経緯】
今回の法案策定に関しては、政府と与党とでキャッチボールを重ねながら最終案をまとめました。政府の当初案では、出資法の上限金利引き下げが公布後四年になり、さらにその後、小額短期の特例金利を最長五年設けることができるとされ、公布から九年かけて金利を適正化する案でした。また、利息制限法の元本区分を物価水準の上昇に合わせて変更する案でした。その後、政府・与党間の検討・調整を経て、出資法上限金利の引き下げは、公布から概ね三年を目途とすることとし、また、特例金利の設定と、利息制限法の元本区分の変更は、いずれも行わないこととしました。一方で、当初案には無かった、借り手の自殺により保険金が支払われることになる生命保険契約の締結禁止や、公正証書にかかる委任状取得の禁止を盛り込みました。特に、特例金利を設定しないことと、元本区分を変更しないことについては、公明党が強く主張したところであり、自民党の理解を得て最終案としてまとめられたことは、長年多重債務者問題の解消に取り組んできた弁護士会等の関係者からも高く評価されているところであります。この経緯について、政府としてはどのような感想をお持ちか金融担当大臣に伺います。
【ヤミ金融取締り】
改正案では、出資法の上限金利を20%まで引き下げるとともに、貸付総量の規制を導入したことを高く評価します。とかく、金利に注目が集まりますが、仮に金利ゼロとしても、過剰に借り入れれば、返済困難に陥ります。多重債務に陥らないためには、金利と貸付総量とを共に規制することが重要です。法案では、指定信用情報機関制度を創設し、貸金業者が借り手の総借入残高を把握できる仕組みを整備した上で、貸金業者に借り手の返済能力の調査を義務付け、総借入残高が年収の三分の一を超える貸付など返済能力を超える貸付を禁止しており、画期的な対応であります。
一方で、上限金利が下がり、貸付総額に規制が導入されると、リスクの高い借り手の一部が、新たに借りられなくなり、ヤミ金融に向かうのではないかとの懸念も示されています。政府としては、内閣官房に多重債務者対策本部を設置して取り組むと承知していますが、金融庁、警察庁、法務省など関係機関が一体となり、徹底したヤミ金融取締りを行うべきと考えます。官房長官に対応を伺います。
【金融経済教育・カウンセリング体制の充実】
また、多重債務に陥る原因の一つには、利息の負担を十分に理解しないまま借入を行う消費者の行動もあります。そこで、学校教育の段階や社会人に対して、家計管理や債務管理を含めた金融経済教育を充実させるべきであり、関係機関が連携して取り組むべきと考えます。さらに、多重債務に陥る前の適切な段階での予防カウンセリング体制の充実や、返済不能に陥った場合にヤミ金融などを利用しないような事後カウンセリング体制の充実が極めて重要になります。それぞれの取り組みについて官房長官に伺います。
【広告・宣伝の規制】
安易な借入を行う原因の一つには、テレビCMをはじめとする過剰な広告・宣伝があります。特に、若者の場合、テレビCMに出ているだけで安心できると思い込み、預金を降ろす感覚で気軽に借りてしまう傾向があります。
テレビCMを全面禁止するといった一律の法規制を課すのは難しいと思いますが、安易な借入を助長するような広告・宣伝は抑えるべきであります。政府はこの問題にどのように対処するのか金融担当大臣に伺います。
【セーフティネットの充実】
緊急に突発的に資金が必要になった際に、貸金業者への借り入れに頼らなくて済むようなセーフティネットの充実も重要です。低所得世帯に対しては、緊急小口資金制度の周知徹底や生活福祉資金の貸付を迅速化するとともに、その拡充・強化を図るべきであります。また、中小零細事業者に対しては、セーフティネット貸付・保証制度の拡充・強化を図るべきであります。官房長官の見解を伺います。
【見直し規定】
法案には、貸金業制度のあり方と、金利規制のあり方について、施行から二年半以内の所要の見直し規定が設けられています。法案では多重債務者問題の解決のためには一定の信用収縮は止むを得ないという考え方ですが、不測の急激な、大規模な信用収縮に対応するため等の見直し規定と認識してよいか金融担当大臣に伺います。また、その他に想定している場合があれば併せて伺います。
結びにあたり、多重債務者問題の深刻化を踏まえると、一刻も早い法案成立が強く望まれることを重ねて申し上げまして、私の質問と致します。
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