夢のつづき
夢のつづき (第一節) 〜〜〜the second work from kizuato and k.s.l.
夢を みました
懐かしい 人の
「コ・・・・・オニ・・・・・キケ・・・・・」
聴き慣れない音の調子に、軽く振り向く。
そこに、あのひとが、いた。
薄蒼い、やわらかな光に映し出された顔に、驚きと戸惑いの色が交わる
それが、出会いだった。
このごろ、よく、あの星をみていた。
「オツキサマ」と、ヒト達は言うらしい。真円を描いて、鈍い光を注ぐ。
ヨークを抜け出し、この川辺でひとり、緩慢な時を過ごすようになって、
どれくらいの月日が経ったのだろう。
ヒト。
今、眼前に立ちつくすモノは、私達エルクゥにとって、狩猟の対象に他ならなかった。
モノ以上の価値を持つべくもないモノ。
たとえ、私達が、彼らが組成をかりそめの宿りとしているとしても。
彼ら?
私にとって、ヒトはモノでなかった。
ヨークが必ずしも居心地のよい場所でなく、姉や妹の心遣いさえ痛みと感じていた。
けれども、彼らからは感じることができた。
彼らの、喜び、悲しみ、怒り。
ささやかな、心の動き。
私達が、長い旅路の中で、薄い膜を剥ぐように、失っていった、柔らかな信号。
彼らだけでない。この星のあらゆる生命体の持つ信号が、私を包み込んでくれた。
「・・・・・」
「ドコカラ キタ? イコクノ モノナノダロウ?」
言葉は分からなかった。けれども、信号だけは、ぼんやりと感じることができた。
「空から、、この星の外から、、来たの、、、」
おそらく、伝わることはないだろうが、夜空を指差しながら答えた。
誤魔化すことも、その場から逃げ出すこともできただろうに。
「オマエハ テンノ ツカイナノカ?」
テン?
感じ慣れない信号に一瞬戸惑う。
「テン? レザムのこと?」
奇妙な言葉のやりとりが二度三度繰り返された後。
ふと我に帰る。
私は同族、姉や妹相手でさえ、ここまで言葉を交わすことがあったろうか。
あのひとからそっと目を逸らし。再び真円の月を望んだ。
「美しいな」
第二節へつづく
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