とりあえず

かまどでパンを焼く

このコーナーの最終更新日 1997.08.25



準備

今回は天然酵母を用意しました。
売っているときは顆粒状というか、
半分固まった粉のような状態なのですが、
これに適量の水を入れ、30度〜35度程度で30時間。
最初はぷつぷつと良い香りがたち、
一日経つと少しお酒のような香りになります。
天然酵母を使うときは、
一日以上前に酵母の仕込みを開始し、
粉に混ぜてからも一次発酵に約20時間、
二次発酵にも数時間を要するため、
十分時間があるときにチャレンジしましょう。
時間はかかっても、味は格別のはずです。
今回は時間の関係で、天然酵母を使いながらも
やむを得ず途中でイースト菌を継ぎ足すという
邪道な方法でパン種を作ってしまいました。
半分どうなることやらと思いながらも、
天然酵母のおいしさを残しながらも
ある程度手早く作ることができました。
このあたりのパン種作りまでは、
今回は公開できません。
というのも、写真を撮るのを忘れたから。
次回焼くときにはちゃんと撮っておきます。
分量は、強力粉500g。
これで天板に4つ載る大きさのものが
8つ分の分量です。
その他には水と酵母と砂糖、塩。
油脂を使わない素朴なパンです。
でも、おいしいんだよ。


かまどをパン焼き窯に変身させる

パンを焼く2時間ほど前から窯の準備を始めます。
さて、どうやってかまどでパンを焼くのか....
石窯でパンを焼くときは十分に窯の中で火を燃やし
窯全体を十分に熱してから火を落とし、その余熱で焼くことになります。
パンをオーブンで焼くときのように
上下左右から熱を与える必要があるため、
かまどの上に耐火レンガを並べて屋根を作ってしまいます。
これで即席窯の出来上がりです。

屋根作り
即席窯

火をつけてから、薪をくべてがんがん燃やします。
かまどは途中に網を入れられるようにしてあるので、
その上に薪をくべれば、下から空気が十分に入りよく燃えてくれます。
そうそう、煙突代わりにかまどの奥側は、
天井にしているレンガを2つ分ほど開けてあげれば、
さらによく燃えてくれます。

火を燃やす1
火を燃やす2

かまどの側面を外から触ってみて熱くなってきたら焼き時です。
こうなるまで火を焚きつづけ、時々はパン種の様子も見ながら、
窯の準備は万端に整ってくるのです。



薪に火をつけるには

いきなり薪に火をつけようとしても、
よっぽど燃えやすい木以外は火をつけることはできないはずです。
そこで登場するのが着火剤の類なのですが、
しかしこれも実際に使ってみると意外と火力がなく、
また長い時間燃えてくれないので
挫折しそうになってしまいます。
そこで私が使う手は....
非常に単純なのですが、新聞紙と食用油を用意します。
新聞紙を2枚重ねで広げ、そこに食用油を大きな
輪を描くようにぐるぐるっと垂らします。
そして油が垂れないように新聞紙を元のように3つに折り、
それを更に3つほどに縦に折ります。
軽く、絞るようにひねりを加えて広がらないようにして
即席着火剤の出来上がりです。
ここであまり強くひねると油が飛び出てくるので注意。
また、必ず常に新聞紙の底が閉じている向きで作業してください。
これを2つ3つ作り、フワフワに丸めた新聞紙の上に置いて、
フワフワに火をつければ、徐々に油が熱せられ、やがて火がつき、
結構長い時間安定した火力が得られます。
普通は着火が難しい炭にも、この方法を使えば
たやすく火をつけることができます。
私がキャンプでバーベキューをするときにもよく使う方法です。


パンを入れるタイミング

1次発酵を済ませ、天板に丸めておかれたパン生地は
2次発酵の行程に入ります。

これから焼くぞ

このあたりで窯の火は絶好調に燃えていれば言うこと無しです。
2次発酵を終了する10分ほど前にほとんど薪が燃えつき、
熾きの状態になっていればベストです。
網の上にある熾きを、
網をひっくり返すようにして下に落とします。
今回のようなパンの焼き方の場合、
熾きもすべて外に出してしまうのが普通のようですが、
この即席窯は、パンを網の部分に乗せることができるので
熾きを残しておいてもかまいません。
かえってそのほうが、ただでさえ冷えやすい即席窯を
冷めにくくできるので、いいようです。
この頃には煙突代わりに屋根を開けていたところは
きっちりと閉めてしまい、熱が逃げないようにします。
そうそう、炊き口のほうもうまくふたができるように
なにか良い材料を探しておきましょう。
今回は軽量ブロックを使いました。
もともと隙間の多い即席石窯のため、
熱がどんどん逃げていきますので、
パンを焼くチャンスは1度だけと思ったほうが良いようです。
その1度だけのチャンスはいつなのか....
オーブン用の温度計を窯の中に入れて、ふたを閉めた状態で、
270度前後だったらOKでしょう。
素手で窯に手を入れて、1〜2秒我慢できる温度がだいたい250度。
すぐに手を引っ込めてしまいたくなるような温度がだいたい300度。
これが、私の感覚での温度です。
だから、一呼吸くらい手を入れられる温度であれば、
いよいよパンを焼くチャンス到来ということになります。
素早くパンを窯の中に入れ、素早くふたをします。
即席窯はどんどん冷えますので、250度でパンを入れたなら、
ほとんどきれいな焼き色は期待できないと思ったほうが良いようです。
だから、とにかく素早く入れてふたをして、
できるだけ温度が落ちないようにします。

蓋をしてじっと待つ

そして、隙間から立ちのぼるパンの焼ける香りをかぎながら、じっと待ちます。
香ばしい香りなら、まだがまんがまん。
ちょっと焦げたようなにおいがしたら、
素早くふたを取って中のパンの色を見ます。
大抵焦げるのはパンと天板の接触している部分なので
慌てる必要はありませんが、この時に焼きむらがあるようでしたら、
天板の向きを変えるとか、前後の天板を入れ替えるとかの
処置をしておいたほうがいいかもしれません。
程よい色で焼けていれば、最高の味のパンの出来上がりです。

焼き立て!

なお、30分も焼いているけど焼き色はいまいち.....
という場合も無きにしもあらずですが、
この時は諦めて、焼くのをやめましょう。
そのまま焼いても焼き色はつかずに、
ただ水分の抜けたパサパサパンになってしまいます。
焼き色が付かなくてもきっと美味しいから大丈夫。


焼き上がり!

どう?

多少見た目は悪くても、
味は抜群のパンが焼けたはずです。
今回焼いたパンは皮がパリっとして、
中はしっとりふっくらしています。
焼き立てのパンの味は格別で、
いくらでも食べられてしまいそうですが、
冷えてからでもおいしいですよ。
冷えてしまったら7ミリほどにスライスして、
軽くオーブントースターで焼いてみてください。
再びパンのいい香りがたち、
また違った美味しさが体験できます。


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