メールで相談する前に

 「医師を訴えたい」というメールを時々いただきます。私どもは、メンタルヘルスの専門家でもなく、法律の専門家でもありませんので、本当に適切なのかどうかわかりませんが、大変な状況の中にいる方々からの「Help!」のメールには、できるだけお答えしてきています。

 以下は、「精神科医によって被害を受けたので、訴えたい」というメールでの問い合わせに対する、本ホームページ管理者が行った回答例です。本当は、もっと詳しいことが書いてありましたが、誰のメールに対する回答かわからないように書き換えています。

 まずこれらをご一読の上、これと同じような回答がくることもある、ということをお含み置きの上、メールを送ってください。

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「被害を受けたので精神科医を訴えたい」「転移が起きている」というメールに対する回答例:

メールありがとうございます。長い間大変でしたね。
今も毎日おつらいと思います。でもよく頑張ってきたと思いますよ。

こちらにメールを出せた、ということ、現在の「治療」について不満が言えること、ご自分の病状を客観的に人に伝えられる、ということはこれからちゃんとした治療をすれば、きっとよくなる、という可能性がある、ということだと思います。

(1)それで、まず、法的に争うのは大変手間がかかります。お金と時間が膨大にかかりますし、労力も馬鹿になりません。しかも、思い通りの結果が得られる、という可能性は大変低いです。
 ですから「ぜひやりなさい」とおすすめできるものではありません。現在の病院と医師に対するお怒りはよくわかります。私もメールを拝読していてとても腹が立ちました。しかし、法律というものは、大変非情なもので、「人間」とか「苦しみ」というものの側に立ってはくれません。あなたがご病気である、ということを考えれば、法的な争い、そして法律が下す「非情」な結論に耐えられる状況ではない、と思います。

(2)では全く苦情を言えないのか、ということになりますが。法的には大変難しいですが、そうではない方法があると思います。
 まず、通院されている病院は、総合病院なのでしょうか。それとも単科の精神科だけがある病院なのでしょうか。総合病院の場合であれば、内科、外科、産婦人科など、ほかの科もありますから、病院の院長、理事長というものがいて、あなたの治療に直接治療に当たっている人物とは別に、もっと上に責任者がいると思いますが。そういった責任者は、あなたの治療に当たっている人物を雇用している人物ですから、治療についても責任の一端を握っている、ということになります。もし総合病院であれば、その責任者に何らかの形で苦情を訴える、という方法もあるかと思いますが。
 総合病院ではなく、病院で苦情が言えない状況だ、ということになると、例えば、県や市町村には、保健医療センターなど、医療に関わる相談窓口があるので、通院先の病院がある行政区域の担当窓口(市役所などに電話をかけて、そういう窓口に回してもらうことです)に文句を言うことができるとおもいます。やったことはありませんが、話は聞いてくれるかもしれません。「そういう苦情は受けつていません」という門前払いにあう可能性もあります。
 しかし、もし「相手が多少は自分の責任を認めている」のなら、役所の窓口も、多少は聞いてくれるかもしれません。厚生労働省に電話をしてしまう、という方法もあります。
 しかし、現在のところ、あなたが被ったダメージを、「倍返しにする」ような強力な仕返しの方法は、法律の枠内だと、あまり見あたりません。
 また、以前、北海道の方で、精神科医の被害を受けた人から教えてもらったことですが、「医師会に電話をかけたが、その医者のことは忘れて別の医者にかかりなさい。医師会は何もできない、というひどい返事をもらった」、ということをです。
 医師会は、医者の地位や身分を守るための組織なので、いちばんあてになりません。

 医師会よりも少しまともなのが、行政の相談窓口です。ただし、仕返しをする、というあなたの目的に合致したことは、してくれないと思います。言うべきことは、言っておく、ということは大変重要ですが。

(3)「仕返し」をしたい、というお気持ちがあるとは思いますが、現在の主治医に対して執着し続けているのは、「恋愛」であれ「恨み」であれ、どういう気持ちに基づいてであれ、おそらく、まともな精神科医から見れば、明らかに病的な現象です。
 普通の社会生活を営んでいても、たった一人の人間に対して、特別の感情を長期にわたって抱き続ける、ということは、まれにしか起きませんし、そういうことが起きている人は、ある意味では、病的であり、その感情に支配されているために、日常生活に支障をきたしているはずです。
 こういった、患者さんが医師に対して特別の感情を持ってしまう、という現象は、治療関係の中では、よく起きるので、まともな医師であれば、そういうことがおきないように、細心の注意をもって治療に当たっているはずです。しかし、それができなかった、ということだと思います。

(4)というわけで、そういった病的な感情を克服することも、現在あなたの課題となっていると思います。それ以外の身体上の不調についても、とても大変だと思いますが、そちらをなおしつつ、気力でがんばれる状況に持って行く必要もあると思います。また、そのような病的な心の状態が、身体に影響を与えている、という可能性もあるでしょう。

(5)そうだとすれば、一番良い方法は、「仕返し」を後回しにして、現在の心身の治療に専念することであると思います。元気になれば、「仕返し」の方法はいくらでも思いつきますし、やろうと思えばいくらでもできます。

(6)たとえば、これからがんばって生きていけば、やがて現在の主治医が年老いて気力も体力もなくなっていくのを見ることができると思います。そのころには、あなたは元気になって就職もしてお金も少しはある、という状況になっている必要があります。そこで、引退間近の医師のところに行って、言いたいことを言い、精神的にダメージを与えれば、一定の仕返しになります。また、元気になれば、なんらかのかたちで地方自治体の保健・医療行政に関わることもできますから、その医者の悪口を言って患者がその病院に行かないようにすることもできます。

(7)とにかく、現在のあなたの心身の状況では、「仕返し」ができません。怒りや恨みはたくさんあると思いますが、おそらく、そういったネガティブな気持ちが、全て、心身の状況の悪化につながっていると思います。
 ですから、一番しなければならないのは、まず病気に打ち勝って元気になることです。したがって、できるだけ早く転医をすることが、今あなたがやらなければならないことだと思います。よいお医者さんや病院は、これまた、行政に相談窓口があれば、そこで紹介してもらう、などの方法があるのではないかと思います。


以上、あまり参考にならなかったかと思いますが、今思いつくことは、こういったことぐらいです。いろいろ焦ったりすると思いますが、病気になって全てを失ったわけではないと思います。あなたは、病気になって苦しんでいる人、人から理解してもらえない人の気持ちを理解できる、という人になったはずです。あなたのような人を必要としている人は、この地球上にたくさんいます。病気を治しながら、自分の中にある「他の人にないもの」「病気になって学んだもの」を大事にしながら、自信を付けて、元気になっていってください。いちばんの敵は、医者ではなく、病気です。ではまた。
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「評判がよかったのでいったがひどい目にあった」という相談メールに対する回答例:

 医者は神ではなく人間ですから、たとえ「良い人」でも犯罪の一つや二つは平気でやります。また、あなたとの「相性」というものが、精神科の医者選びでは、かなり重要です。医師に関する他人の間で出回っている「評判」は参考になりません。自分でちゃんと確認する以外に方法はないと思います。

 とくに「よく話を聞いてくれる」というのは、実は患者に陽性転移を平気で起こさせている、という意味ですから、とても危ないことをしていると思います。
 「話はあまり聞いてくれないし愛想が悪いが、1〜2年通っているうちに仕事ができるようになったし、薬が減った」という医者のほうが、まだまだ人畜無害だし、ましでしょう。
 それから、いろいろな情報を総合すると、精神科医で「良い先生」に出会う方がラッキーのようですから、「特別の人」「評判のよい人」ではなく、「普通の人」を選ぶことが重要だと思います。

 いずれにせよ、都道府県・市町村で相談窓口があり、専門の相談員が相談に乗ってくれると思いますので、早く電話をして相談することをおすすめします。こちらにしたのと同じお話であれば、相談員は「早く医者を代えろ」と言うと思います。

 それから、きちんと謝罪してもらいたい、と思っていらっしゃると思いますし、それは当然だと思います。しかし、あなたはこちらにメールをして相談する以外、ほかに相談する人がいない、という状況のようです。そういう環境では、謝罪させる、ということをやろうにも、うまくいかないと思います。とにかく良い医者をはやく見つけて、治療に専念できる環境を作ってください。ではまた。
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「精神科医から被害を受けた」「死にたい」「医師を訴えたい」という相談メールに対して:

 死んじゃだめですよ。せっかくお知り合いになれたんですから。
それで、訴えたいというお気持ちはわかりますが、ここはちょっと落ち着いて、専門家の意見を聞いてみた方がよいと思います。都道府県・市町村には、相談センターがあります。それ以外にもボランティア団体があるので、そこで専門家に相談してみてはいかがでしょうか。
 また、本当に死にたくなったら、「いのちの電話」などに電話をして、止めてもらってください。お話もちゃんと聞いてもらえます。
 
 一番大事なことは、あなたの病気を良くすることです。変な医者ではなくて、ちゃんとした治療をしてくれる人を探すことが一番大事です。
 仕返しは、その後でもできます。だから、まずよい治療者を探してください。それではまたね。何かあったらメールしてください。

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