境界性人格障害を治療できる医者、できない医者の見分け方

2005年5月7日付、BLOGより

ポール・メイソン&ランディ・クリーガー/荒井秀樹・野村祐子・栗原美和子訳『境界性人格障害=BPD はれものにさわるような毎日をすごしている方々へ』星和書店、2003年、301〜304頁より

本書全体についての参考になる書評は、以下のものがあります。
http://homepage1.nifty.com/eggs/book/bkborderline.html

 同書には、次のようなアドバイスがあり、大変参考になります。

以下、引用。

 ボーダーラインの人を効果的に治療した経験をもつメンタルヘルスの専門家を見つけることは、非常に困難な場合があります。ボーダーラインの人やノン・ボーダーラインの人たちから報告された共通の問題としては、次のようなものがあります。

●境界性人格障害について教育を受けていない、そして適切に診断できない臨床医。

●境界性人格障害の診断はつけても、ボーダーラインの人を治療した経験がなく、ボーダーラインの人への効果的な働きかけかたを知らない臨床医。そのような医師は「境界性人格障害を治す方法はない」とか「ボーダーラインの人たちはよくならない」などの正しくない情報を伝える可能性があります。

●ボーダーラインの人に対する否定的な予測や態度を治療に持ち込み、そのため無意識のうちに偏見を帯びた態度で患者に接する臨床医。

●境界性人格障害に関する考え方が硬直しており、患者が意見の異なることを言うと患者の言うことを否定する臨床医。たとえば、自傷行為をする人やボーダーラインの人は性的虐待を受けていると信じている臨床医など。これは真実ではなりません。

[中略]

ボーダーラインの人や、ボーダーラインの人から大きな影響を受けている人を扱う能力があるかどうか評価するために、その治療者に質問してみることも大切です。たとえば、次のような質問があります。

1.境界性人格障害を治療したことがありますか? もしあるなら、どのくらい?
治療者の身ぶり手振りや声の調子などから、その治療者のボーダーラインの人に対する態度を見定めてください。境界性人格障害の問題をあまり扱ったことのない治療者は避けたほうが無難でしょう。

2.境界性人格障害をどのように定義しますか?
 治療者の知識があなたより少ないようであれば、別の治療者を探してください。境界性人格障害を、実際にはあなた(もしくはあなたが関わるボーダーラインの人)にはない病気の一部であると考えている場合も、別の治療者を探しましょう。(たとえば、トラウマの病歴がないのに、境界性人格障害は外傷後ストレス障害の一形態であると言うかもしれません)

3.境界性人格障害の原因はなんだと思いますか?
 あなたが虐待をしない親なのに、親の虐待がこの障害の原因であると治療者が考えているなら、もっと良い治療者を探してください。また、治療者が生物学的要因の可能性を言わないのなら、その人はおそらく最新の研究について知らないといえます。

4.境界性人格障害の治療計画はどのようなものですか?
 治療の概略についてはっきりと話すことができ、またそれが個々人に合わせて調整されるものであると言える治療者を探してください。治療計画を持たない治療者は、ボーダーラインの人の危機状態に左右され、長期的問題にまで手が届かなくなるようです。
 
5.自傷行為に対する特別な治療ができますか? 物質依存には? 摂食障害には? ボーダーラインの人を愛する人たちには?
 あなた自身の関心事に入れ替えたり、つけ加えたりして質問してください。

6.ボーダーラインの人は良くなると思っていますか? もしそうなら、ボーダーラインの人を個人的に治療してその人がよくなったのですか?
 サントロとコーエンによれば、「聞きたいのは、納得のいく楽観論です。もちろん誰も保証はできません(保証してくれるような人は見過ごしてください)。けれど、どっちつかずの態度が目に余るようなら、誰か他の人を探したほうがいいかもしれません」。あなたと治療者が同じゴールを目指していることを確認してください。

7.薬物治療に関する見解は?
 治療者が精神科医でないなら、薬物が必要なときに誰が処方してくれるのか質問してください。

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